この記事は 2026年9月13日(令和8年) に内容を見直しました。記載は更新時点の税法等に基づいています(免責事項)。
課税売上割合(総売上高のうち消費税がかかる売上の割合)が95%以上、かつ課税売上高が5億円以下の事業者は、課税仕入れにかかった消費税額を全額仕入税額控除できます。課税売上高が5億円を超える事業者は、課税売上割合が95%以上であっても、個別対応方式または一括比例配分方式で計算しなければなりません。この5億円基準は平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されています。
「95%ルール」とは何か
課税売上割合(総売上高に占める、消費税がかかる売上の割合)が95%以上の事業者は、課税仕入れにかかった消費税額の全額を仕入税額控除できる、という簡便な取り扱いのことです。非課税売上(土地の売却、住宅の家賃、受取利息など消費税がかからない売上)がごくわずかであれば、仕入れの消費税を課税売上対応分と非課税売上対応分に振り分ける手間を省けるようにした措置です。
課税売上割合の計算方法は、国税庁タックスアンサー「No.6405 課税売上割合の計算方法」で確認できます。
平成24年4月の改正で「課税売上高5億円以下」の要件が追加
平成24年4月1日以後に開始する課税期間からは、この全額控除の取り扱いは、その課税期間の課税売上高が5億円以下の事業者に限られるようになりました。課税売上高が5億円を超える事業者は、課税売上割合が95%以上であっても、「個別対応方式」または「一括比例配分方式」のいずれかにより仕入税額控除額を計算しなければなりません。
この改正の適用開始時期は、国税庁「消費税法改正のお知らせ(平成23年9月)」で確認できます。
個別対応方式
課税仕入れ等にかかる消費税額を、①課税売上げにのみ対応するもの、②非課税売上げにのみ対応するもの、③課税売上げと非課税売上げに共通するもの、の3つに区分し、「①の全額+③×課税売上割合」で仕入控除税額を計算する方式です。この区分による経理ができている場合に限り選択できます。
一括比例配分方式
課税仕入れ等にかかる消費税額の全体に課税売上割合を掛けて仕入控除税額を計算する、より簡便な方式です。区分経理をしていない場合のほか、区分経理をしていてもこの方式を選ぶことができます。
ただし、一度選択すると2年間以上継続して適用した後でなければ、個別対応方式に変更できません。両方式の計算式は「No.6401 仕入控除税額の計算方法」に記載があります。
多摩地域の中小企業・個人事業者への実務上の影響
多摩地域の中小企業・個人事業者の多くは課税売上高5億円以下ですので、課税売上割合が95%以上である限り、引き続き全額控除が使えるケースがほとんどです。
ただし、不動産の売却や有価証券の譲渡など非課税売上が一時的に大きくなった年は、課税売上割合が95%を下回ることがあります。一般的には、決算年度に不動産や高額資産の売却を予定している場合は、事前に課税売上割合への影響を試算しておくと安心です。
個別対応方式を選ぶべきか一括比例配分方式にするかも含め、判定は取引内容によって結論が変わりますので、個別にご相談ください。
