この記事は 2026年9月13日(令和8年) に内容を見直しました。記載は更新時点の税法等に基づいています(免責事項)。
消費税の納税義務は、法人・個人を問わず「事業」として継続的に売上をあげるすべての事業者に生じます。
ただし基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として免税事業者になれます。
一方、インボイス制度で「適格請求書発行事業者」の登録を受けると、売上規模にかかわらず課税事業者になります。
消費税の納税義務がある「事業者」とは
消費税は、国内で「事業」として行った資産の譲渡・貸付けやサービスの提供(課税資産の譲渡等)に対して課されます。ここでいう「事業」とは、同種の行為を反復・継続・独立して行うことをいい、法人はもちろん、個人事業主も広く対象になります。
例えば、フリマアプリやネットオークションで自分の不用品を単発で売る程度であれば「事業」とはみなされませんが、仕入れて転売するなど取引の規模・頻度・営利性が高まれば、事業とみなされ消費税の課税対象になり得ます。事業者の納税義務の原則は、国税庁タックスアンサー「No.6501 納税義務の免除」で確認できます。
免税事業者になれるかどうかの判定
基準期間の課税売上高が1,000万円以下
事業者は、その課税期間の基準期間(個人事業者はその年の前々年、事業年度が1年の法人はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として消費税の納税義務が免除されます(免税事業者)。開業したばかりの事業者は基準期間がないため、原則として設立1期目・2期目は免税事業者になりますが、資本金1,000万円以上で設立した法人は基準期間がなくても課税事業者になりますので注意が必要です。
特定期間の判定にも要注意
基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間(個人事業者はその年の前年1月1日から6月30日まで、法人は原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6か月間)の課税売上高が1,000万円を超えると、その課税期間は課税事業者になります。この判定は課税売上高に代えて給与等支払額の合計額でも行え、どちらの基準にするかは任意です。詳細は「No.6501 納税義務の免除」に整理されています。
インボイス制度で「免税事業者でも課税事業者になる」ケース
令和5年(2023年)10月1日から「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が始まりました。適格請求書(インボイス)を交付できるのは、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」に限られます。
この登録を受けると、基準期間の課税売上高にかかわらず納税義務は免除されなくなるため、免税事業者も登録した時点で課税事業者になります。
登録は義務ではなく任意で、主な判断材料は取引先が仕入税額控除を必要とする課税事業者かどうかです。一般的には取引先の多くが課税事業者であれば登録を検討するケースが多く、消費者向け事業が中心なら見送ることもあります。
損得は取引構造で個別に異なるため、判断に迷う場合はご相談ください。制度の詳細は「No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご確認ください。
登録して課税事業者になった小規模事業者向けの負担軽減措置
2割特例(令和5年10月1日〜令和8年9月30日の属する課税期間まで)
免税事業者からインボイス発行事業者の登録を受けて課税事業者になった小規模な事業者は、納付税額を売上に係る消費税額の2割に抑えられる「2割特例」を使えます。
事前の届出は不要で、確定申告書に適用を受ける旨を付記するだけで足り、簡易課税制度選択届出書を提出していても、申告のたびに2割特例を選ぶかどうかを判断できます。
適用できるのは、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間で、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間などは対象外です。詳細は国税庁「2割特例の概要」で確認できます。
個人事業者は令和9年分・10年分も「3割特例」で延長
令和8年度税制改正により、インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者になった個人事業者に限り、2割特例終了後の令和9年分・令和10年分の申告でも納付税額を売上税額の3割に抑えられる「3割特例」が新設されました。
対象は、基準期間(申告する年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下の個人事業者で、法人はこの延長の対象外です。
一般的には多摩地域の個人事業主にも該当し得る制度ですが、適用要件は年によって基準期間が変わるため、申告前に個別にご確認ください。詳細は国税庁「令和8年度税制改正特集」で確認できます。
