株式会社の設立にかかる実費(資本金の払込みを除く)はおおむね16万5,000円〜24万円程度、合同会社であれば6万円〜10万円程度が目安です。
書類の準備が整っていれば、定款作成から登記完了までおおむね2〜3週間程度で設立できます。
福井会計事務所では、定款の作成・電子認証から設立後の各種届出まで一気通貫でサポートし、設立登記の申請は連携する司法書士が担当することで、窓口を一本化しています。
株式会社と合同会社の違い
多摩地域で起業される方からも「株式会社と合同会社はどちらがいいのか」というご相談を多くいただきます。両者の違いは、大きく「設立費用」「対外的な信用」「運営の仕組み」の3点に整理できます。
設立費用の違い
登記の実費は、主に「登録免許税」「定款認証の手数料(株式会社のみ)」「定款に貼る収入印紙」で構成されます。登録免許税は資本金の0.7%と、株式会社は15万円・合同会社は6万円のいずれか高い方です(国税庁「登録免許税の税額表」で確認)。定款認証の手数料は資本金額等に応じて1万5,000円〜5万円で、合同会社は認証そのものが不要です(日本公証人連合会で確認)。定款の収入印紙4万円は、電子定款(PDFに電子署名する方式)にすれば不要です。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 15万円(資本金×0.7%がこれを超える場合はその金額) | 6万円(資本金×0.7%がこれを超える場合はその金額) |
| 定款認証の手数料 | 1万5,000円〜5万円(資本金額等により区分) | 不要 |
| 定款の収入印紙 | 4万円(電子定款の場合は不要) | 4万円(電子定款の場合は不要) |
| 登記事項証明書・印鑑証明書等 | 数千円 | 数千円 |
| 実費の目安(電子定款の場合) | 約16万5,000円〜24万円 | 約6万円〜7万円 |
※ 紙の定款の場合は収入印紙4万円が別途かかります。専門家へ依頼する場合はその報酬が別途必要です。資本金の額そのものは実費に含みません。
対外的な信用の違い
一般的には、株式会社の方が合同会社よりも社会的な認知度・信用度が高いとされ、金融機関や取引先によっては株式会社を前提とした対応をされることがあります。合同会社は決算公告の義務がなく運営コストを抑えやすい一方、認知度はまだ発展途上です。合同会社から株式会社への組織変更も制度上は可能ですが、その際も登記費用が別途かかります。どちらが向くかは事業内容や資金調達の方針で変わるため、迷われる場合はご相談ください。
運営(意思決定)の違い
株式会社は出資者(株主)と経営者(取締役)を分離できる仕組みが基本で、株主総会や取締役会で意思決定します。合同会社は出資者(社員)自身が経営に当たり、原則として社員全員の一致で意思決定します。役員の任期や役員変更登記の要否など、設立後の運営面での手間にも違いがあります。
法人成りの損益分岐と検討ポイント
損益分岐の考え方
「法人成り」を検討する際、多くの方が気にされるのが税負担の損益分岐点です。所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進課税である一方、法人税の実効税率はおおむね一定で、役員報酬には給与所得控除も使えます。そのため一般的には、利益の水準がある程度大きくなった段階で法人化した方が税負担面で有利になるケースが多い、といわれます。
ただし法人には、赤字でもかかる法人住民税の均等割、社会保険料の会社負担増、交際費の損金算入限度額といった個人事業にはない負担も生じます。有利・不利は事業内容や役員報酬の設定で個別に変わるため、あくまで一般的な傾向として捉え、実際の試算はご相談ください。
社会保険への加入義務
法人成りで見落とされがちなのが社会保険です。法人は役員1人だけの会社であっても、常時従業員を使用する法人事業所として健康保険・厚生年金保険への加入が原則義務づけられています(日本年金機構「新規適用の手続き」で確認)。個人事業では、従業員5人未満かつ一部の業種であれば社会保険の加入は任意ですが、法人化するとこの余地がなくなる点は資金繰りの見通しに影響します。
消費税の免税期間とインボイス登録の関係
資本金1,000万円未満の新設法人は、原則として設立後最大2事業年度は消費税の免税事業者になり得ます(資本金1,000万円以上の場合や、一定規模の会社に支配される「特定新規設立法人」に該当する場合を除きます。国税庁「新設法人の納税義務の免除の特例」で確認)。
ただし注意が必要なのがインボイス制度(適格請求書発行事業者登録制度)との関係です。適格請求書発行事業者の登録を受けられるのは課税事業者に限られるため(国税庁のインボイスQ&Aで確認)、免税事業者のまま設立しても、取引先の求めで登録すればその課税期間から課税事業者となり、免税のメリットは受けられなくなります。免税を優先するか登録を先に済ませるかは取引先構成で結論が変わるため、一般的な目安として捉え、具体的な判断は個別にご相談ください。
会社設立の流れ
株式会社・合同会社とも、大まかな流れは共通しています。株式会社のみ「定款認証」のステップが加わります。
- 会社の概要を決める(商号・事業目的・本店所在地・資本金額・事業年度など)
- 定款を作成する(電子定款にすると収入印紙4万円が不要)
- 【株式会社のみ】公証役場で定款の認証を受ける
- 出資金(資本金)を発起人・社員名義の口座へ払い込む
- 設立登記に必要な申請書類・議事録等を作成する
- 本店所在地を管轄する法務局へ設立登記を申請する(登記が完了した日が会社の設立日です)
- 税務署・都道府県税事務所・市区町村・年金事務所などへ各種届出を行う
登記自体の手続きは法務局が窓口です(法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」「合同会社の設立手続について」で確認)。より詳しい流れは「会社設立の流れはどのようになっていますか?」もご参照ください。
設立後に必要な届出と期限
会社設立は登記が完了して終わりではありません。むしろそこがスタート地点で、税務・社会保険の届出を期限内に済ませる必要があります。主なものは次のとおりです。
| 届出書 | 提出先 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 法人設立届出書 | 税務署(都道府県税事務所・市区町村にも同様の届出が必要) | 設立の日以後2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立の日以後3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日とのいずれか早い日の前日まで |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 開設の事実があった日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 税務署 | 随時(給与の支給人員が常時10人未満の場合に申請可。承認後は納付が年2回にまとまります) |
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 年金事務所 | 事実発生から5日以内(役員1人のみの会社も対象) |
| 労働保険関係成立届 等 | 労働基準監督署・ハローワーク | 従業員を雇用する場合に提出(保険関係が成立した日の翌日から10日以内が目安) |
※ 青色申告の承認申請書を期限内に出さないと、最初の事業年度から青色申告の特典(欠損金の繰越控除など)が受けられません。源泉所得税の納期の特例は、承認されると1〜6月徴収分は7月10日、7〜12月徴収分は翌年1月20日にまとめて納付できます(国税庁で確認)。
設立後の届出については「会社設立後すぐに必要な手続きはありますか?」でも解説しています。
福井会計事務所のサポートと料金
福井会計事務所は多摩市(多摩センター駅)を拠点に、多摩市・日野市・府中市・八王子市・稲城市など多摩地域の起業をサポートしています。代表は税理士であると同時に行政書士としても登録しており(東京都行政書士会)、定款の作成と電子認証を自ら行えるのが強みです。電子署名の設備を備えているため、お客様にご用意いただくのはマイナンバーカード(電子証明書)のみで、紙の定款なら必要な収入印紙4万円を節約できます。登記の申請は司法書士の専管業務のため連携する司法書士が担当し、窓口を当事務所に一本化できます。
起業支援パック
起業予定または1期目(最初の事業年度)で、年間売上高等が1,000万円未満と見込まれる方向けに「起業支援パック」をご用意しています。サービス内容は通常の顧問契約と同等で、マネーフォワード クラウド会計の初期設定やAIツールを組み込んだ経理の型づくりも開業時から支援します。
| 年間売上高等 | 月額顧問料 | 決算料 | 合計報酬年額 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円未満 | 22,000円 | 0円 | 264,000円 |
※ 1期目(最初の事業年度)限定の料金です。2期目以降は顧問契約の料金表に基づき改めてお見積りします。会計ソフトはマネーフォワード クラウド会計をお客様ご自身でご契約いただきます(ソフトの利用料はお客様のご負担となります)。料金は消費税等(10%)を含みます。
創業計画書の作成支援や日本政策金融公庫(公庫)との交渉サポートにも対応しています。当事務所は中小企業庁の認定経営革新等支援機関でもあり、認定支援機関の関与が要件となる融資・補助金のご相談も承れます。詳しい料金は起業支援パックの料金表、内容はこちらをご覧ください。
よくある質問
会社設立の費用はいつ、どうやって支払うのですか?
登録免許税は、法務局への登記申請時に収入印紙を貼付するか、オンライン申請なら電子納付します。定款認証の手数料は公証役場での認証時に、収入印紙は定款作成時に必要です。専門家に手続きを依頼する場合は、別途その報酬がかかります。
資本金はいくらにすればよいですか?
会社法上は1円でも設立できます。ただし資本金の額は、当面の運転資金の目安になるだけでなく、金融機関からの信用や、1,000万円未満かどうかによる消費税の免税判定にも影響します。事業内容や資金計画に応じた個別の検討が必要ですので、迷われる場合はご相談ください。
株式会社と合同会社、結局どちらがよいですか?
一般的には、対外的な信用や将来の資金調達を見据える場合は株式会社、設立・運営コストを抑えたい場合は合同会社が選ばれる傾向にあります。合同会社から株式会社への組織変更も制度上は可能です。最適解は事業内容や取引先で変わりますので、比較検討のご相談も承っています。
個人事業から法人成りするのに良いタイミングはありますか?
課税所得の水準、社会保険料の負担増、インボイス登録の有無など複数の要素が絡むため、一律の答えはありません。一般的には利益が一定水準を超えた段階で検討されることが多いですが、有利・不利は試算しないと分からない部分が大きいので、決算内容をもとにした個別のシミュレーションをおすすめします。
会社設立の登記も税理士に依頼できますか?
税理士の資格だけでは、定款の作成代理(行政書士の業務)や登記の申請代理(司法書士の業務)はできません。当事務所の代表は行政書士としても登録しているため定款作成・電子認証は対応でき、登記申請は連携する司法書士が担当します。手続きの窓口を当事務所に一本化できます。
