この記事は 2026年9月13日(令和8年) に内容を見直しました。記載は更新時点の税法等に基づいています(免責事項)。
個人事業には、開業届を出すだけで始められ設立費用がかからない、事務負担が会社より軽いといったメリットがある一方、所得が大きくなると税負担が重くなりやすく、赤字の繰越しも3年(会社は10年)にとどまるといったデメリットがあります。会社にすることのメリット・デメリットをおおむね裏返した形になります。
| 比較項目 | 個人事業 | 会社 |
|---|---|---|
| 始め方 | 開業届の提出のみ | 定款作成・登記が必要 |
| 赤字の繰越し(青色申告) | 3年 | 10年 |
| 赤字でもかかる税金 | なし | 均等割(法人住民税) |
| 社会保険 | 業種・人数により任意の場合あり | 役員1人でも原則強制加入 |
個人事業のメリット
- 開業届を出すだけで始められ、設立費用がかからない
- 経理・税務の事務負担が会社より軽い
- 会社のような均等割(赤字でもかかる税金)がない
- 従業員5人未満の個人事業(一部の業種)では社会保険の加入が任意
個人事業を始める際は、税務署への「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要です。この届出書の提出期限は、令和8年度税制改正により、令和8年4月1日以後は「その事実があった日の属する年分の所得税に係る確定申告期限まで」に変更されています(所得税法229条、e-Gov法令検索 所得税法)。
手続きの詳細は関連記事「個人事業の開業にはどのような手続きが必要ですか?」で解説しています。
また、個人事業所の社会保険加入義務は、業種・従業員数によって強制適用か任意適用かが分かれます(日本年金機構 適用事業所と被保険者)。
個人事業のデメリット
- 取引先・金融機関からの信用面で会社に劣ることがある
- 所得が大きくなると、累進課税の所得税の方が法人税より負担が重くなりやすい
- 赤字の繰越しは3年(会社は10年)
- 事業主本人の給与を経費にできず、生命保険や退職金などの経費化の余地も会社より狭い
所得税は課税所得が増えるほど税率が上がる累進課税で、税率は5%から45%の7段階に区分されています(国税庁タックスアンサーNo.2260 所得税の税率)。所得が一定水準を超えると、税率が原則一定の法人税より所得税の方が重くなりやすく、これが「法人成り」を検討する典型的なきっかけになります。
青色申告をしている個人事業の赤字繰越しが3年間であることは、国税庁のタックスアンサーで確認できます(国税庁タックスアンサーNo.2070 青色申告制度)。
売上や利益の規模、従業員の有無、取引先の要請などによって最適解は変わります。
個人で始めて軌道に乗ってから会社にする「法人成り」も一般的で、多摩地域でも創業当初は個人事業として開業し、売上や利益が伸びた段階で法人化するケースをよくお見かけします。
どのタイミングで法人化すべきか、税負担の試算を含めて迷われたらご相談ください。
