この記事は 2026年9月13日(令和8年) に内容を見直しました。記載は更新時点の税法等に基づいています(免責事項)。
会社にすることには、個人事業と比べて主に①社会保険料など経営管理コストの増加、②経理・税務の事務負担の増加、③個人と会社の財布を厳格に分ける必要がある、④赤字でも法人住民税の均等割という定額の税金を納める必要がある、という4つのデメリットがあります。
1.社会保険などの経営管理コストがかかる
法人の事業所は、役員1人だけの会社であっても、健康保険・厚生年金保険への加入が法律上義務づけられています(日本年金機構 適用事業所と被保険者)。会社を設立した場合は、事実発生(設立)から5日以内に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を年金事務所へ提出する必要があります(日本年金機構 新規適用の手続き)。
保険料は会社と役員・従業員が原則折半で負担するため、個人事業(従業員5人未満は多くの業種で加入が任意)と比べて固定費が増える傾向があります。
従業員を雇う場合は、これに加えて労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きも必要になり、会社設立後すぐに対応すべき事項が個人事業より多くなります。
2.経理などの事務処理負担が増える
法人は、個人の確定申告よりも複雑な決算・申告手続き(決算書の作成、法人税・消費税・法人住民税・法人事業税の申告など)が必要です。役員報酬や社会保険関連の事務も加わるため、経理担当者を置くか、税理士など専門家に依頼するケースが一般的です。
3.個人と会社の財布を厳格に分けなければならない
会社は法律上、社長個人とは別人格の存在です(詳しくは関連記事「そもそも会社って何ですか?」)。そのため会社のお金を社長が私的に使うと、貸付金・役員賞与などとして扱われ、思わぬ課税につながることがあります。個人事業のように「財布が一つ」という感覚では運営できない点は、実務上の負担として意識しておく必要があります。
4.赤字でも一定の税金(均等割)がかかる
法人住民税には「均等割」という区分があり、利益の有無にかかわらず、資本金等の額や従業者数に応じて定額で課税されます。東京都の案内でも「赤字決算でも法人都民税の申告及び納付が必要」と説明されており、法人税割はゼロでも均等割は必ず発生します(東京都主税局 法人事業税・法人都民税)。
均等割の具体的な金額は、資本金等の額や従業者数によって段階的に区分されているため、設立時の資本金額を検討する際はあわせて確認しておくとよいでしょう。
個人事業にはこのような赤字時の定額課税はありません。
これらのデメリットは、会社にすることで得られる節税・信用面のメリット(関連記事「会社にすることのメリットは?」参照)とあわせて検討する必要があります。事業規模やご家族の状況によって最適な選択は変わりますので、個別にご相談ください。
