この記事は 2026年9月14日(令和8年) に公開しました。記載は公開時点の税法等に基づいています(免責事項)。
インボイス制度で、免税事業者など適格請求書発行事業者以外の方から仕入れをしたときに、仕入税額相当額の一部を控除できる経過措置があります。この控除割合が、2026年(令和8年)10月1日以後の取引から8割から7割に下がります。令和8年度税制改正で当初の予定(10月から5割)が見直され、期間も2年延びました。
控除できる割合の推移
| 仕入れの時期 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 令和5年10月1日〜令和8年9月30日 | 8割 |
| 令和8年10月1日〜令和10年9月30日 | 7割 |
| 令和10年10月1日〜令和12年9月30日 | 5割 |
| 令和12年10月1日〜令和13年9月30日 | 3割 |
| 令和13年10月1日以後 | 控除なし |
改正前は令和8年10月から5割、令和11年10月からは控除なしの予定でした。改正後は7割→5割→3割と2年刻みで下がり、令和13年9月末で終了します。
実務で気をつける点
割合は請求書の日付ではなく、仕入れ(取引)を行った日で決まります。9月30日までの仕入れは8割、10月1日以後の仕入れは7割です。9月分と10月分がひとつの請求書にまとまっている場合は、取引日で分けて処理します。
帳簿には、経過措置の適用を受ける仕入れである旨を記載する必要があります。マネーフォワード クラウド会計などの会計ソフトでは、免税事業者からの仕入れを登録するときに選ぶ税区分(「経過措置80%」「経過措置70%」など)がこの記載にあたります。10月以後の取引で、税区分が7割のものに切り替わっているかをご確認ください。
控除の上限も変わります。ひとつの相手先からの課税仕入れ(税込)がその年または事業年度で1億円を超える場合、超えた部分はこの経過措置を使えません。改正前の上限は10億円でした。令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
免税事業者との取引が多い事業者の方は、控除できない1割分だけ納税額が増えます。取引先にインボイス登録をお願いするか、価格を見直すかは、取引先の事情もふまえて検討することになります。一方的な値下げの要請は独占禁止法や下請法の問題になることがありますので、ご相談ください。
小規模事業者向けの「2割特例」も終了へ
免税事業者からインボイス発行事業者になった方の納税額を売上税額の2割にできる「2割特例」は、令和8年9月30日までの日を含む課税期間で終わります。個人事業者は令和8年分の申告が最後で、令和9年分と令和10年分は納税額を売上税額の3割にできる「3割特例」が新たに設けられました。法人には3割特例はなく、たとえば12月決算法人は令和8年12月期が2割特例の最後になります。
2割特例や3割特例を使った翌課税期間から簡易課税に移る場合、その翌課税期間の申告期限までに「簡易課税制度選択届出書」を出せばよいこととされました。特例が終わった後にどの計算方法が有利かは、売上と仕入れの構成によって変わります。
